2009年12月25日金曜日

バクマンの中井さんを全力で擁護する

今ジャンプで連載中のバクマンの話です。
バクマン読んでる人だけわかればいいので、細かい説明は省きます。



バクマンの最近の展開に関するネット上の反応をみると

「中井さんは最低のひどいヤツ」

「蒼樹嬢はかわいい」

というのが大勢を占めているように感じられる。

正直自分は蒼樹嬢のがヒドイ
英語で罵るなら◯ッ◯じゃないの?と思っていたので
とにかく蒼樹嬢がかわいいということでなんか許されていて、中井さんが悪者にされているるような雰囲気がいけ好かなくてすごくもやもやして、気持ちがすっきりしないので、これから私見を持って、中井さんを全力で擁護しようと思います。


まず中井さんがヒドイといわれている直接の原因は
「絵を描く代わりに付き合え」と蒼樹嬢にいったことにあるのだろう。
かなりいやらしい人間として、読者に印象づけるように描かれているし
実際、あんなことをいうのは人としてどうか、という側面はあるだろうから
中井さんがひどいヤツ呼ばわりされるのは、ある意味仕方ないかもしれない。

けれど中井さんはあれだけ男を見せて熱烈に告白したうえで、一度蒼樹嬢に完全に振られているという前段階がある。
そしてその後、新しいメガネの女の子を好きになってアタックをしている最中である。
その状況の上で、中井さんは、もう一回組むことを蒼樹嬢に頼まれた時、どう答えるべきだったというのだろうか。

仮に中井さんが良い人で「今好きな子がいるから、その子との関係を大事にしたいから、出来ません」
と紳士的に答えたらどうだっただろうか?
その場合、蒼樹嬢はそれでも「お願いします」と食い下がってくるだろう。
そこで、なあなあのうちに中井さんが蒼樹譲と仕事を始めれば、中井さんの気持ちはまた揺れ始め、メガネと蒼樹嬢を天秤にかける、という泥沼展開がおそらく待っているだろう。
しかし一度手痛く振られている中井さんにチャンスが有るかどうかは甚だ疑問で、蒼樹嬢にいいように利用されるだけなのではないか。

そもそも蒼樹嬢は一度完全に振った相手に対して、仕事を頼みに行くこと自体、どういう面の皮しているんだ?と自分は思わずにはいられない。
しかも蒼樹嬢は、すでに中井さんが他の女性と仲良くなっていることを知っていて、そのことに不快感をもっていた。
にもかかわらず蒼樹嬢が中井さんに仕事を頼みにいったのは、中井さんは自分にまだ好意をもっているだろうから、仕事を受けてくれるだろう、とそう思っていたに違いない。しかも無自覚に。

中井さんが他の女性と仲良くしていることを知って、蒼樹嬢が不快感を持ったのは、実は蒼樹嬢は、中井さんに好意をもっていたけど、気づいていなかったから嫉妬の情念が湧いたというわけではなく、自分を他の女と比較して自分より他の女を選ぶなんて許せない、自分の価値が低く見られたという事に対する不快感なのではないだろうか。
だから蒼樹嬢はもう一度中井さんに仕事を頼みに行き、イエスと言ってもらうことで、その女より自分の価値が高いことを確認したかったのだ。
蒼樹嬢はとにかくプライドが高い女性である、というのが自分なりの見方だ。
そうでなければ、あれだけ男を見せ、熱烈に告白してくれた中井さんをふった理由が思いつかない。
中井さんは醜男だったから生理的に嫌だったからという理由以外に蒼樹嬢が中井さんを振った理由が考えられるだろうか。
中井さんは自分に釣り合う男性ではないから蒼樹嬢は、中井さんを振った。
でも中井さんが他の女性に気移りすることは私のプライドが許さない。
これが蒼樹嬢の心理、思考だ。
だから、自分を価値ある女性であると思っている蒼樹嬢は、自分に好意のある中井さんは頼めばもう一度自分の元に来て、自分の為に働いてくれる、そう思っていたに違いない。
しかもこのとき蒼樹嬢はシュージンに好意を持ち始めていて、シュージンと見吉の間に不和を起こす原因にもなっているのだから余計に質が悪い
仮に中井さんがもう一度蒼樹嬢の為に働いて成功しても、蒼樹嬢は中井さんを男性としては見ないだろう。体の良い奴隷扱いだろう(ああ、この場合中井さんがドMならいい関係になれるかw)

中井さんをヒドイといわれるが、蒼樹嬢に振られて傷心のあと自分に優しく接して、自分の技術や価値を認めてくれる女性に気が移る事自体は、それほど非難されることではない。
それがダメだというなら、中井さんはいつまでも報われない恋を引きづりつづけろ、ということになる。
それでは、中井さんのキャラからしてストーカー化するしかない、その方が悲惨だし、ヒドイ。

確かに中井さんは、もしかしたら自分に気があるかも、という打算の上で「絵を描く代わりに付き合え」なんて人として最低な事を口にしたかもしれない。
でもこれは、中井さんにしてみれば、一度自分をてひどく振った女性に対する復讐だったのではないだろうか。
中井さんは蒼樹嬢にビンタを喰らったあと、蒼樹嬢のことを吹っ切って今好きな女の子の元に行けると、決然と言ってのける。
正直自分はこのとき
「きゃーーー中井さんかっこいいいいいっっっっっ!!!」
と思った。

そもそも、「絵を描く代わりに付き合え」なんて言って蒼樹嬢がイエスというような場面を中井さんが想定していたとしたら、中井さんはよほどのバカだろう。
もし中井さんが蒼樹譲と付き合えるかもという期待をもって動くなら、とりあえず蒼樹譲ともう一回組み、きっかけをさぐりつつダメならダメで、メガネをキープとして確保しておこうというもっと打算的な選択をしていただろう。
もしそうなっていたら、それこそ、中井さんのことをもっと最低のひどいヤツだと自分は非難しただろう。



中井さんは、蒼樹嬢と付き合えるかもしれないと思ったから「絵を描く代わりに付き合え」といったわけではなく、蒼樹嬢が今の自分に好意ないし嫉妬の感情がある、自分を振ったことに未練があるとわかった上で、蒼樹嬢を怒らせる為にああ言ったのではないだろうか。
中井さんにしてみれば、蒼樹嬢は、またなんの見返りもなしに、自分が蒼樹嬢のために尽くしてくれると思って自分のとこに来たのではないか、冗談じゃない、自分はもう新しい恋を初めているんだ、邪魔するな、邪魔するならそれ相応の見返りがあって当然だろう、でなければ帰れ、そう思っていたに違いない。
そう解釈するなら、中井さんのあの安っぽい悪党みたいなセリフも結果をわかった上でわざといったセリフであり、無自覚に自分への好意を利用しようとする蒼樹嬢への復讐だったということが見えてくるのではないだろうか。

というわけで、中井さんはなにも悪くないよ!
無自覚に女の武器を利用して自分を篭絡しようとする悪女を降りきって新しい恋に生きる中井さんはむしろかっこいいよ!

そんなわけで至好回路は中井さんを応援しています。


P.S
つぎは福田さんが魔の手に掛かりそうで心配です。

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