2009年12月11日金曜日

マイノリティにはマイノリティの戦い方がある

例えば自分が「これは傑作だ」と思った作品が、世間でほとんど注目されていないというような時どうするか?
なぜこの作品が世間に知られていないんだ!もっと知られるべきだ!
と息巻いて、ネットで感想を上げたり、投票運動をしてみたりしてみても
実際のところ、そういった行為は無駄とは言わないが、その効果はすぐには現れるものではない。

それゆえ、その作品に対する思い入れが強いばかりに、人気のある他の作品をけなしたり、あるいは、視聴者や市場の無関心や無理解を嘆いたり批判したりといった行為に出やすい。
場合によっては、業界すべてに絶望したとか、もうアニメなんて見ないとか言い出したりしてしまう人なんかも出てきたりする。
自分も経験のあることなんで気持ちはよく分かるが、そんなのは、自分の好きな作品が世間に認められない事に対する不満や愚痴を吐き出して自分を慰めているだけで、なんの役にもたちゃしない。

では、自分が傑作だと思ったマイナー作品を世に知らしめるためにはどうしたらいいのか。
方法は二つ。
ひとつはノイジーマイノリティになること。
もうひとつは徹底した長期戦を展開すること。

嘘でも百回唱えれば真実になる。

マイナーであることを逆手にとって「知る人ぞ知る傑作である」ということを言い続ければ、本当に知られていないから、知らない人は「え?そうなの?」と割と信じて興味を持つ。
これを10年でも20年でも続ける。
何かに関連づけられる話題があれば必ずその作品の名前を出す。
関連する脚本家や監督などスタッフが関わっている他作品を紹介するときに引き合いに出す。
「この作品の監督は〇〇の人だから面白いに違いない!」とか「さすが〇〇の監督だ」とか
そういったことを根気よく続ける。

昨今のアニメの事情からすれば作品の消費サイクルが異常に早く、放映当時人気が高かった作品でも、移り気な視聴者は、すぐに次の作品に関心を移して過去の作品に言及することは少ない。
そういった一過性の作品が多い中で、何度も何度も何度でも、自分が傑作と信じる作品について語る。
そうすることで、その作品が幾多の忘れられた人気作の中に埋もれることなく、「一部熱狂的ファンによって支持される傑作」という地位を築くことができる。
作品を埋もれさせないために必要なことは、知ってもらうというだけでなく、その作品を「忘れさせない」ことがなにより重要なのだ。
そのためにノイジーマイノリティとしてネット上に存在し続ける。

とりあえず自分は10年続けたよ。まだまだ続けるよ。
おまいらも頑張れ。

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